第7回 日本先進矯正歯科学会 学術大会
2025年1月26日(日)
全電通労働会館(東京・御茶ノ水)
※画像は第6回学術大会のものになります
※今回は1日開催となります
※ランチョンセミナー・懇親会開催します。
日本先進矯正歯科学会学術大会japanese advanced orthodontic conferenceMessage大会長ご挨拶
デジタルテクノロジーと口蓋アンカースクリューを極める~プラス隣接医学との融合~
矯正治療を成功させるためには、一つ一つのステップを的確にこなしていくことが重要である。
近年デジタル技術の発達で高精度な診断や、精密なデジタルセットアップが可能になった。
その技術は今も日進月歩で進んでいる。また、予知性の高い歯の移動は治療結果の優越を決める。それにはアンカースクリューがキーポイントになる。
口蓋アンカースクリューは他と比べ、歯根に干渉されないので、遠心移動、近心移動、圧下、拡大など3次元的な潜在能力に優れている。また口蓋は骨質や厚みが良好で、固定源として申し分がない。今日まで様々なアンカースクリューが考案され、その進化は目覚ましいものがある。
また、口腔内の侵襲を最小限にし、患者の負担を減らすことや、また口腔周囲だけでなく、鼻形成など総合的なアプローチも考慮に入れる必要性がある。
今回はそれぞれの分野のスペシャリストに集まってもらい、高度なディスカッションを展開する。新しい治療やコンセプトの極みを目指す。
第7回日本先進矯正歯科学会学術大会
大会長 斉宮康寛
日本先進矯正歯科学会学術大会japanese advanced orthodontic conferenceInvited Speaker招待講演者
<お知らせ>
当初、講演を予定していた不島健持先生に変わり安井正紀先生に講演していただく事になりました。
※写真をクリックすると詳しい情報が表示されます。
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YASUHIRO ITSUKI
斉宮 康寛
神宮前矯正歯科
■タイトル
いかにシンプルで効率的なメカニクスを構築できるか
■抄録
舌側矯正治療は表側矯正治療と比べていくつかの障壁があるために、治療が難しい。
例えば、ブラケットスパンが短いので、歯のコントロールが難しい。歯が舌側に倒れやすい。トルクをいれると挺出しやすい。ボーイングエフェクトが起きやすいなど。
この敷居を下げるため様々な開発をしてきた。ブラケットスパンが短いことは柔らかいワイヤー(Gum Metalなど)で対応できる。柔らかいワイヤーは歯のコントロールが難しいが、絶対的な固定源i-stationαを併用することで正確に操作できる。トルクや歯の挺出はi-stationαで容易にコントロールできる。
矯正治療は本来、反作用を相殺し狙った所に歯を動かすなど、きわめて複雑なメカニクスが必要で、大変ストレスフルであった。
i-stationαは難症例を治療するのに有効ではあるが、効率の良いシンプルなメカニクスを構築できることが特徴である。
近年ではサージカルステントの開発でさらにシンプルなシステムを構築できた。
今回は治療をシンプルにすることでいかに容易に治療を進めることができるかを紹介したい。また、表側治療にi-stationαを使用することの提案をしてみたい。
■経歴
1991年 東北大学歯学部卒業
1997年 鶴見大学大学院歯科医学博士号取得
1997年 日本矯正歯科学会認定医取得
2001年 神宮前矯正歯科開設
2006年 医療法人社団スマイルクリエート設立
2009年 日本矯正歯科学会専門医取得
2014年 第11回ヨーロッパ舌側矯正歯科学会にてベストスピーカー賞受賞
2017年 日本先進矯正歯科学会 会長
■所属学会
日本矯正歯科学会
日本口腔インプラント学会
日本口蓋裂学会
日本顎変形症学会
ヨーロッパ矯正歯科学会
アメリカ矯正歯科学会
World Federation of Orthodontists
Member of Angle Society
■論文、出版
1、 正常者および開咬者における嚥下時の舌筋,口腔周囲筋および咬筋筋活動の機能的相違-筋電図学的ならびに頭部X線計測学的研究 日本矯正歯科学会雑誌 55(6)461-476 1996
2、 A new palatal implant with interchangeable upper units, Journal of Clinical Orthodontics 43(5), 318-323, 2009
3、 Temporary anchorage device with interchangeable superstructure for mandibular tooth movement, Journal of the World Federation of Orthodontists 2(1), e19-e29, 2013
4、 A TAD-based system for camouflage treatment of severe skeletal class III malocclusion, Journal of Clinical Orthodontics 50 (7), 401-412, 2016
5、 i-Station clinical applications: Attain the ultimate in treatment for difficult maxillary prognathism, Orthodontic Yearbook 2016, 127-134, the Quintessence, 2016
6、 i-stationの臨床応用 上顎前突を極める。 矯正イヤーブック2016.127-134 ザクインテッセンス2016
7、 Multipurpose orthodontic system using palatal implants for solving extremely complex orthodontic problems, Journal of the World Federation of Orthodontists 6, 80-89 2017
8、 i-stationの臨床 メカニクスその先へ
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AKIRA KANAO
金尾 晃
かなお矯正・小児歯科
クリニック
■タイトル
インハウス・アライナーの基礎と応用(製作方法・材料を考察して)
■抄録
近年、歯科矯正治療におけるアライナーの需要が急増している中、歯科医院で直接製作する「In-house aligner」が注目を集めている。本発表では、In-house alignerの基本的な製作方法と使用される材料について詳述し、その臨床応用を考察する。
まず、従来の矯正治療において外部企業に依存していたアライナー製作プロセスを、3Dプリンターとソフトウェアを活用して自院で完結させる技術の概要を説明する。これにより、患者ごとのカスタマイズ性が高まり、治療計画における柔軟性が向上することが確認されている。また、アライナーの製作過程における材料の選定が、装置の適合性や快適性、耐久性に与える影響についても考察する。
さらに、In-house aligner導入によるコスト削減や治療期間の短縮といった利点に加え、導入に伴う技術的課題や品質管理の重要性についても言及する。これらを通じて、In-house alignerの基礎と応用についての理解を深め、デジタルデンティストリーの進化がもたらす未来の歯科矯正治療の可能性について報告する。
参考文献:
金尾晃, 矯正歯科臨床におけるインハウス・シリーズ ‐サーモフォーミング・アライナー編‐日本歯科評論, 2024; 84:55-66
高杉友香,金尾晃, 歯科のDXの現在 DXを取り入れてこんなに変わりました! 小児歯科臨床 29巻第4号 18-28 2024.
金尾晃,矯正歯科領域におけるデジタルデバイスの活用について 日本歯科理工学会誌 2023;42-2;93-98.
金尾晃, 小児矯正治療における口腔内スキャナー活用のコツ.日本歯科評論,9:78-79,2018.
■略歴
2004年 日本大学松戸歯学部 卒業
2005年 岡山大学卒後臨床研修課程修了
2009年 岡山大学・医歯薬学総合研究科 行動小児歯科学分野 大学院 博士号取得
2012年~ 独立行政法人国立病院機構 岡山医療センター 口蓋裂外来 矯正歯科担当
2012年~ 川崎医科大学 口蓋裂外来 矯正歯科担当
2012年~ 日本大学松戸歯学部 矯正歯科 研究生
2016年 かなお矯正・小児歯科クリニック 開院
2018年~ 医療法人COLORS 理事長就任
2021年~2023年 インビザラインジャパン社ファカルティ
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JUN KAWAHARA
川原 淳
日本歯科大学生命歯学部
付属病院 総合診療科
臨床講師
東京SJCDレギュラーコースインストラクター
■タイトル
デンタルインプラントを回避するシングルリテーナー接着ブリッジの臨床応用
■抄録
前歯部1歯欠損の治療の選択肢にデンタルインプラントは、高い予知性と、審美的結果を得る治療法として広く一般的に普及されています。
しかし、年齢、スペース不足、手術回数、費用、治療期間などの様々な事情によりインプラント治療が困難となることも実際少なくありません。
その際、シングルリテーナー接着ブリッジは、それらが適応症の可能性となります。
従来の3ユニットブリッジと比較すると、支台は1歯のみとなり、歯質の削除量も極めて少ないことから、歯質の削除に抵抗のある患者に対しても、有用な治療法として考えられます。
今回、矯正治療との連携など臨床例を通して接着ブリッジをどのように適用すべきか考えてみたいと思います。
■略歴
1993年 日本歯科大学 歯学部 卒業
1993年 川原歯科医院勤務
1999年 カトウ矯正歯科クリニック勤務
2020年 日本歯科大学生命歯学部附属病院総合診療科 臨床講師
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RENYA SATO
佐藤 廉也
五橋デンタルクリニック
■タイトル
ダブルトラクションによる前歯部のトルクコントロール
■抄録
昨今、審美的要求によりインビジブルな矯正装置が注目を浴びている。
しかし、マウスピース型矯正装置はその生物物理学的特性上ルートコントロールが難しい1。特に口唇突出の治療では前歯のトルクコントロールが必須となるため、マウスピース型矯正装置単独での適応症例は限られる。もし適応拡大をするなら、歯の移動計画に最大限の工夫を行い、付加装置の併用が必要となる。一方リンガルマルチブラケット矯正装置の場合、エッジワイズによるモーメントの発生によりトルクコントロールが可能であり、さらに歯科矯正用アンカースクリューを併用することで前歯部歯軸のコントロールを予知的に行うことができる。 しかし、リンガルブラケット矯正はラビアルブラケットと比べて、インターブラケットディスタンスが小さく、また術野が小さいため、ループテクニックは操作が煩雑で難易度が高い。 そこで、ストレートワイヤーテクニックのスライディングメカニクスを用いるほうが治療をシンプルに行うことができる。
スライディングメカニクスにおいて、前歯のリトラクションをエンマスで行う際、歯体移動やコントロールティッピングさせながらエンマスリトラクションを行う目的で、前歯の抵抗中心を設定しロングレバーアームの長さとアンカースクリューの位置で目的の牽引ベクトルを発生させ、トルクコントロールを行うことが考案されている2,3。 しかし、実際には抵抗中心を予想して牽引を行っても、歯の移動動態が想定したものとならないことも多い3。これはバイオメカニクスに解剖学的、物理学的、歯科理工学的、生理学的、その他様々な因子が関わるからであり、単純な生物物理学的解釈では解決できないことを意味する。そこで、筆者はダブルトラクションという概念を提唱し、前歯部の予知的な移動を行っている4〜6。これは「各個人の歯の抵抗中心は同定できない」という考えのもと、仮想の抵抗中心を設定しその上下を通る2つのべクトルに強弱をつけ、抵抗中心に力が及ぶよう調節するフォースシステムである。
今回は、ハーフリンガルテクニックを中心に、歯科矯正用アタッチメント「ビートル」を用いたPalatal Anchor Base Systemによって治療した成人症例にて、ダブルトラクションの実際を解説したい。
1. Upadhyay M, Arqub SA. Biomechanics of clear aligners: hidden truths & first principles. J World Fed Orthod. 2022 Feb;11(1):12-21.
2. Lin JC, Yeh CL, Liou EJ, Bowman SJ. Treatment of skeletal-origin gummy smiles with miniscrew anchorage. J Clin Orthod. 2008 May;42(5):285-96.
3. 河村純,玉谷直彦.舌側矯正におけるスライディングメカニクスによ る前歯舌側傾斜のメカニズム.有 限要素法による検討.日舌側矯歯会. 2020;30:5-13.
4. 佐藤廉也.ビートルの臨床 -7.成人の口唇突出,口唇閉鎖不全の矯正 治療 (1)- 治療ゴールを達成するための確実なアンカーコントロールに ついて.矯正臨床じゃーナル.2023;39(11):11-28.
5. 佐藤廉也.ビートルの臨床 -8.成人の口唇突出,口唇閉鎖不全の矯 正治療 (2)- ダブルトラクションに至った経緯.矯正臨床ジャーナル. 2023;40(1):11-30.
6. 佐藤廉也.ビートルの臨床 -9.成人の口唇突出,口唇閉鎖不全の矯正 治療 (3)- 大臼歯のアンカレッジに囚われないスライディングでのエン マスリトラクション.矯正臨床ジャーナル.2024;40(3):39-69.
■略歴
1990年 宮城県仙台向山高等学校卒業
1997年 日本歯科大学新潟生命歯学部卒業
1997年 秋田県開業医勤務
2001年 東北大学病院 矯正歯科入局
2005年 東北大学大学院歯学研究科博士課程修了(歯学博士)
2006年 日本矯正歯科学会「認定医」取得
2007年 五橋デンタルクリニック開院
2013年 医療法人クリエイティングスマイルズ設立
2013年 仙台駅前歯科矯正歯科SRデンタルオフィス開院
2022年 仙台駅前歯科矯正歯科SRデンタルオフィス閉院五橋デンタルクリニックに統合
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RYO
HAMANAKA
濱中 僚
長崎大学病院 矯正歯科
■タイトル
デジタルセットアップと3次元重ね合わせを用いた診断と評価
■抄録
本講演では、歯の抵抗中心の概念を取り入れたデジタルセットアップを用いた三次元診断と、治療前後の3次元重ね合わせによる評価についてお話させていただきます。
近年、AIによる歯根のセグメンテーション技術が進展し、歯根付きのモデルを用いたデジタルセットアップが可能となり、これまで以上に精度の高い診断が行える環境が整いつつあります。しかし、従来の診断プロセスでは、セファロや模型分析を通じてまず切歯や臼歯の位置を決定し、そこからデジタルセットアップを作成し歯根の位置を確認する流れが一般的です。この方法では、歯根の平行性や歯槽骨からの逸脱を防止するための微調整にしか歯根情報を活用できないという制約がありました。
一方、治療計画に基づいて自動的にデジタルセットアップを行うことができれば、模型分析の手間を省くことが出来、より効率的な治療計画の立案が可能となります。コンピューター上で仮想的に歯の排列行いながら、セファロ分析と顔貌写真にその情報をリアルタイムに反映することで、必要な情報を同時に処理しながら診断を進めることができます。また、この際、歯の抵抗中心を考慮することで、必要な力系を視覚化し、治療の精度をさらに高めることができます。例えば、抵抗中心を用いることで、臼歯のアップライトや相対的な圧下・挺出、オートローテーションに必要な実際の圧下量を統一的に分析・評価することが可能となります。
本講演では、実際の症例に基づくデジタルセットアップを示すことで、治療計画がどのように変わるのか、また、治療前後の3次元重ね合わせを用いて診断と実際の歯の移動との相違点について考察したいと思っております。さらに、3次元重ね合わせの技術的背景、種類、およびその限界についても触れ、現状の課題と今後の展望についてもお話させていただきます。
■略歴
2012年 大阪大学 歯学部 卒業
2013年 長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科 歯科矯正学分野 入局
2018年-2023年 長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科 歯科矯正学分野 助教
2019年-2022年 UCLA School of Dentistry, Department of Orthodontics, 客員研究員
2024年 長崎大学病院 矯正歯科 講師
日本矯正歯科学会 認定医CLOSE
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MASANORI YASUI
安井 正紀
宮崎台やすい矯正歯科
クリニック
■タイトル
歯槽骨内における歯根位置を考慮した矯正治療のアプローチと症例報告
■抄録
矯正治療において、歯根を適切に歯槽骨内に収めることは重要であり、診断時には治療ゴールとして歯根位置が慎重に設定されます。現在、多くの矯正歯科医院でCTが導入され、歯槽骨の形態や歯根の位置関係を把握するために活用されています。しかし、治療中や治療後に歯根が歯槽骨から逸脱するケースが見られることもあります。この問題を回避するために、当院では歯根を含めた治療シミュレーションを行い、必要に応じて治療中にセファロ撮影を行い、特に前歯の歯根位置を確認しています。また、メカニックやワイヤーサイズがトルクに与える影響も考慮し、治療計画に反映させています。本発表では、歯根位置に配慮しながら治療を行った症例について供覧し、皆様と意見交換をさせていただければと考えております。
■略歴
1994年 日本大学歯学部卒業
1994~1996年 矯正専門歯科医院(横浜) 勤務
1996~1998年 神奈川歯科大学卒後研修(歯科矯正学専攻) 常勤
1998~2005年 神奈川歯科大学卒後研修(歯科矯正学専攻) 非常勤
1998~2003年 矯正専門歯科医院(東京) 勤務
2003年 宮崎台やすい矯正歯科クリニック 開設
2007年 日本矯正歯科学会 認定医 取得(第2826号)
2010年 医療法人社団理惇会 宮崎台やすい矯正歯科クリニック 設立
2011年 日本矯正歯科学会 臨床指導医 取得(第280号)
2010~2013年 神奈川歯科大学 顎顔面外科学教室 非常勤講師
2013~2023年 神奈川歯科大学横浜クリニック矯正科 非常勤講師
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TAKESHI MIYAWAKI
宮脇 剛司
東京慈恵会医科大学附属病院
形成外科
東京慈恵会医科大学附属病院
鼻中隔外鼻クリニック
■タイトル
鼻中隔外鼻形成術と顎変形症
■抄録
鼻中隔外鼻形成術は形成外科、耳鼻咽喉科医などの医療者だけでなく患者からも注目されている。治療対象は外傷後の斜鼻変形や鞍鼻変形を含む鼻骨変形治癒骨折や唇裂などの先天性疾患が含まれる。さらに、耳鼻咽喉科による鼻中隔矯正術後の外鼻変形や鼻閉、軟骨炎に続発する外鼻変形など炎症性疾患も対象となる。そしてこれら症例は形成外科医が本領を発揮できる分野である。日本は歴史的に鼻内と外鼻に分けて治療学が発展したため、鼻という一つ構造体を耳鼻咽喉科と形成外科が別々に治療を担ってきたが、外鼻形態を操作する上で鼻腔深部からつながる鼻中隔を無視することはできない。鼻内と外鼻は連続した構造体であり、何らかの操作を加えれば全体に影響する可能性がある。鼻は建築物に例えれば、壁強度に依存した構造体である。そのため斜鼻や鞍鼻だけでなく高度の鼻中隔弯曲症を含めて “鼻中隔外鼻形成術”の役割が存在する。さて、上顎骨と外鼻骨格は連続した一連の構造体であり、機能と形態が密接に関係する部位である。そのため顎変形症治療の中では外鼻骨格は無視できない存在である。今回の講演では顎変形症治療に役立てていただけるよう、鼻中隔外鼻形成術のコンセプトをお伝えしたい。
■略歴
1989年 東京慈恵会医科大学卒業
1999−2001年 Michigan, Institute for Craniofacial and Reconstructive Surgery
2015年 東京慈恵会医科大学 形成外科学講座 主任教授
2018年 東京慈恵会医科大学 鼻中隔外鼻クリニック 診療部長
日本形成外科学会 理事、専門医
日本頭蓋顎顔面外科学会 理事、専門医
日本美容外科学会 理事、専門医
AO CMF JAPAN 会長
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SHUJI YAMAGUCHI
山口 修二
ドイチェ矯正歯科・大宮
■タイトル
デジタル技術を応用した次世代型3Dメタルプリント矯正装置
■抄録
3Dプリンティングは、CADソフトにより複雑な立体構造を作成し、設計の効率的な修正も容易で目的に合わせた3次元的造形物をカスタマイズできることを特長とする。カスタマイズやオーダーメイドのニーズの高い医療分野は親和性が高く、特に歯科分野で普及が進んでいるといわれている。矯正歯科において、診断用模型、セットアップ模型、間接的接着コア、アライナー装置等の樹脂系材料を使用した3Dプリンティング技工物が作製され、臨床応用されている。
近年、メタルプリンティング技術を応用し、適合と強度に優れ、設計の自由度の高いカスタマイズした様々な矯正装置を作製することが可能である。メタルプリンティング技術と新しいデザインと機能のアイデアを融合したSHU-lider®装置を日本で考案、特許取得し、株式会社アソインターナショナルと共同開発を行なった。
SHU-lider®装置は、最先端のデジタル技術を応用し、カスタマイズされた適合や強度に優れ、かつ操作性の良いメタルプリント矯正装置である。口蓋部の矯正用アンカースクリューを固定源とし、スライディング・メカニクスを応用することで、従来の同様のメカニクスを使用する装置よりも上顎の大臼歯の遠心への確実な歯体移動と固定のみならず、犬歯や小臼歯の遠心への歯体移動と固定、前歯のトルクを十分に考慮したリトラクション、上顎急速拡大も同時に行なうことができる。また、下顎の犬歯、小臼歯の遠心への歯体移動やⅢ級不正咬合の治療にも応用が可能である。
本講演では、3Dメタルプリント装置であるSHU-lider®装置の特長や臨床応用について紹介する。また、SHU-lider®装置とアライナー装置や各種マルチブラケット装置のコンビネーション治療の可能性について解説する。
■略歴
1997年 九州歯科大学卒業
2001年 ライオン歯科クリニック開業
2010年 ドイツ・デュッセルドルフ大学矯正歯科大学院入学
2013年 ドイツ歯科医師免許取得(Approbation)
デュッセルドルフ大学矯正歯科大学院卒業
2014年 ドイツ公認矯正歯科専門医資格取得
ドイチェ歯科・矯正歯科開業
2015年 ドイツ歯学博士号取得(Dr. med. dent.)
2021年 SHU-lider矯正研究会・代表
2022年 日本3Dプリンティング矯正歯科学会・代表理事
2024年 ドイチェ矯正歯科・大宮に改称
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五十音順
日本先進矯正歯科学会学術大会japanese advanced orthodontic conferenceChairman
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ランチョンセミナー・教育講演座長 今村 栄作 先生
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パネルディスカッション座長 小川 晴也 先生
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Eisaku
Imamura
今村 栄作
■略歴
1991年3月 東北大学歯学部歯学科 卒業
4月 鶴見大学歯学部 口腔外科学第1講座入局(診療科助手)
10月 長野県厚生連佐久総合病院 歯科口腔外科(研修医)
1993年4月 横浜労災病院 歯科口腔外科勤務(研修医、専修医)
1995年4月 東芝林間病院 歯科口腔外科勤務(医員)
1996年4月 鶴見大学歯学部 口腔外科学第1講座(助手)
1996年10月 横浜労災病院 歯科口腔外科勤務(医員、医長)
2001年6月 横浜総合病院 歯科口腔外科(部長)
2005年8月 桐蔭横浜大学医用工学部(客員教授、2012年3月まで)
2015年4月 横浜総合病院 院長補佐兼任
歯学博士(昭和大学口腔解剖学講座)
■所属学会
(公社)日本口腔外科学会 認定口腔外科専門医
(公社)日本口腔インプラント学会 認定専門医
ITI(International Team for Implantology) Fellow
ITI日本支部公認インプラントスペシャリスト
Asian Association of Oral and Maxillofacial Surgeons Membership
日本頭蓋顎顔面外科学会
日本顎変形症学会
日本口腔ケア学会
日本顎顔面インプラント学会
日本口腔診断学会
他
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HARUYA OGAWA
小川 晴也
■略歴
1961年8月28日生まれ
1986年 大阪歯科大学卒業
1991年 大阪歯科大学大学院(歯科矯正学専攻)修了,(学位取得)
■職歴、その他
1991年 広島県福山市元町に小川矯正歯科を開設(1998年 伏見町に移転)
大阪歯科大学非常勤講師(至1999年)
1998年 大連医科大学(中国)客座副教授(至2000年)
2006年 筒井塾咬合療法研究会インストラクター(至現在)
■学会認定医
1992年 日本矯正歯科学会(JOS)認定医
1999年 英国矯正歯科認定医 (MOrth RCSEd)
2006年 世界舌側矯正歯科学会(WSLO)認定医
日本矯正歯科学会(JOS)専門医
2007年 日本舌側矯正歯科学会(JLOA)アクティブメンバー(現認定医)
2017年 米国 アングルソサイエティレギュラーメンバー(Southwest Component)
■近著
・小川晴也:咬合高径のコントロールが有効であった下顎の側方偏位症例,日本臨床矯正歯科医会雑誌,第19巻,Vol.1:2-9,2007.
・小川晴也:小児期における顎偏位症例への咬合挙上と態癖指導,始めて、学んで、MTM,デンタルダイヤモンド増刊号,第32巻第14号:124-139,2007.
・小川晴也:左右の咬合高径の不調和と左側臼歯部のクロスバイトと左側のⅡ級咬合関係をともなう下顎の側方偏位症例,臨床家のための矯正YEAR BOOK ‘08,クインテッセンス出版,35-45,2008.
・小川晴也:咬合療法の概念に基づく歯科矯正臨床への取り組み-患者本来のカタチに近づけるために-,前編,Journal of Orthodontic Practice,Vol.25,No.1:29-50,2009.
・小川晴也:咬合療法の概念に基づく歯科矯正臨床への取り組み-患者本来のカタチに近づけるために-,後編,Journal of Orthodontic Practice,Vol.25,No.2:61-78,2009.
・筒井照子,西林滋,小川晴也(共著):態癖-力のコントロール,東京,2010,クインテッセンス出版
・小川晴也:小児歯科における姿勢・態位への取り組み,小児歯科臨床,Vol.16,No.8:20-30,2011.
・小川晴也:態癖改善が歯科矯正治療に及ぼす影響についてー患者本来の”カタチ”に近づけるためにー,甲北信越矯正歯科学会雑誌,第20巻第1号,3-21:2012.
・小川晴也:TADを用いた矯正治療の実際と臨床的使用法,日本成人矯正歯科学会雑誌, Vol.19, No.2: 8-23,2012.
・小川晴也:態癖;山口秀晴,大野粛英,高橋治,他編 MFT臨床,東京,2012,わかば出版,244-246.
・小川晴也,小川聖美:機能的下顎偏位を伴う症例の下顎位についての一考察, Orthodontic Waves-Japanese Edition 第72巻 第1号,35-59,2013.
・岡崎綾子,小川晴也(共著):当院で行っている態癖ならびに口腔周囲の悪習癖改善への取り組みについて,日本臨床矯正歯科医会雑誌,第26巻 第1号 ,9-18,2014.
・小川晴也:舌癖の指導方法,デンタルダイヤモンド,第39巻第12号:105-107,2014.
・小川晴也:成長期における上顎前突の長期術後経過から考える第一期治療の意義,臨床家のための矯正YEAR BOOK 2015,クインテッセンス出版,10-17,2015.
・飯高春香,小川晴也(共著): 舌小帯短縮症に対するMFT-当院におけるそのアプローチについて-月刊デンタルハイジーン,Vol.35 No.12:1368-1373,2015.
・小川晴也,西井康,大谷淳二:MTMのフォースシステムと歯科矯正用アンカースクリューの応用,日本歯科医師会雑誌,Vol.69,No.9:31-39,2016.
・小川晴也:健やかな矯正臨床を目指して-矯正治療を単なる美容で終わらせないために-,日本成人矯正歯科学会雑誌,Vol.23 別冊:34-51,2016.
・小川晴也,筒井照子:良好な長期術後経過を示した「成人開咬症例」から学ぶこと-咬合療法の概念に基づいた矯正歯科臨床-,臨床家のための矯正YEAR BOOK 2018,クインテッセンス出版,28-37,2018.
・小川晴也:矯正歯科臨床 基本から限界まで-Ⅱ級症例-,近畿東海矯正歯科学会雑誌, 53 (1):13-21,2018.
・小川聖美,小川晴也(共著):症例報告-長期安定性を求めてー上顎前突/非抜歯 3°ルールの例外2症例,Journal of Orthodontic Practice,Vol.35,No.10:35-50,2019.
・小川晴也,小川聖美:症例報告-長期安定性を求めてーアングルⅡ級開咬抜歯、アングルⅢ級開咬非抜歯症例,Journal of Orthodontic Practice,Vol.35,No.12:63-81,2019.
・小川晴也:歯科矯正用アンカースクリューの進化と矯正臨床1,Journal of Orthodontic Practice,Vol.36,No.4:37-50,2020.
・小川晴也:歯科矯正用アンカースクリューの進化と矯正臨床2,Journal of Orthodontic Practice,Vol.36,No.6:69-78,2020.
・小川晴也:歯科矯正用アンカースクリューの進化と矯正臨床3,Journal of Orthodontic Practice,Vol.36,No.7:11-29,2020.
・小川晴也:長期経過から小児への矯正治療のタイミングとアプローチ法を考える(6回連載),(その1)まずは習癖指導から始めよう,日本歯科評,Vol.801(10),No.936,69-76,2020.
・小川聖美,小川晴也(共著):上顎大臼歯の遠心移動を行ったAngleⅡ級2類成人症例の良好な長期術後経過について,中・四矯歯誌,32:1-21,2020.
・ 小川聖美,小川晴也(共著):上顎大臼歯の遠心移動を行ったAngleⅡ級2類成人症例の良好な長期術後経過について,中・四矯歯誌,32(1):65-86,2020.
・ 小川晴也:長期経過から小児への矯正治療のタイミングとアプローチ法を考える,(その1)まずは習癖指導から始めよう,日本歯科評論,Vol.80(10),No.936,69-76,2020.
・ 小川晴也:長期経過から小児への矯正治療のタイミングとアプローチ法を考える,(その2)長期安定を見据えた一期治療をめざして,日本歯科評論,Vol.80(11),No.937,100-110,2020.
・ 小川晴也:長期経過から小児への矯正治療のタイミングとアプローチ法を考える,(その3)一期治療を行うべき反対咬合,日本歯科評論,Vol.80(12),No.938,103-116,2020.
・ 小川晴也:長期経過から小児への矯正治療のタイミングとアプローチ法を考える,(その4)臼歯部のクロスバイトへのアプローチ,日本歯科評論,Vol.81(1),No.939,104-113,2021.
・ 小川晴也:長期経過から小児への矯正治療のタイミングとアプローチ法を考える,(その5)上顎前突への一期治療の意義を考える,(1)ヘッドギア編,日本歯科評論,Vol.81(3),No.941,93-103,2021.
・ 小川晴也:長期経過から小児への矯正治療のタイミングとアプローチ法を考える,(その6)上顎前突への一期治療の意義を考える,(2)機能的矯正装置編,日本歯科評論,Vol.81(4),No.942,123-133,2021.
・ 小川晴也:矯正治療を成功に導く習癖指導,MFT学会会誌,Vol.10(1),29-43,2021.
・ 小川晴也:矯正治療を単なる美容で終わらせないためにー成長期の患者に対する包括歯科臨床の中での矯正治療—,日本包括歯科臨床学会誌,Vol.4/5(1),13-35,2021.
・ 小川晴也:臨床例から振り返るボーンハウジングを考慮した矯正臨床の重要性について,日本舌側矯正歯科学会会誌,No.32,12-23,2022.
・ 小川晴也:矯正治療を成功に導く習癖指導,その実際の指導法について,デンタルダイヤモンド第47巻第9号:76-85,2022.
・ 小川晴也:矯正治療を成功に導く習癖指導―その実際の指導方法についてー,MFT学会会誌,Vol.12(1),2-7,2023.
・ 小川晴也:Ⅱ級1類,その骨格パターンや治療方針の違いによる術後長期経過の相違について,東京矯正歯科学会雑誌,Vol.33,172-185,2023.
・ 小川晴也:審美・機能の長期安定を目指してー矯正治療を単なる美容で終わらせないためにー,東北矯歯誌,31(1):1-6,2023.
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日本先進矯正歯科学会学術大会japanese advanced orthodontic conferenceProgramプログラム
9:20ー9:30(10分) | 大会長挨拶 |
---|---|
午前の部 | 最強のデジタルテクノロジーを学ぶ |
9:30-10:30(60分) | 【講演1】インハウス・アライナーの基礎と応用(製作方法・材料を考察して) 金尾 晃 先生 |
10:30-11:30(60分) | 【講演2】デジタルセットアップと3次元重ね合わせを用いた診断と評価 濱中 僚 先生 |
11:30-12:20(50分) | 【教育講演】鼻中隔外鼻形成術と顎変形症 宮脇 剛司 先生 |
12:20-12:30(10分) | 休憩 |
12:30-13:20(50分) | 【ランチョンセミナー】デンタルインプラントを回避するシングルリテーナー接着ブリッジの臨床応用 川原 淳 先生 座長:今村 栄作 先生 |
13:20-13:30(10分) | 休憩 |
午後の部 | シンポジウム / 口蓋アンカースクリューを極める |
13:30-14:30(60分) | 【講演3】デジタル技術を応用した次世代型3Dメタルプリント矯正装置 山口 修二 先生 |
14:30-15:30(60分) | 【講演4】ダブルトラクションによる前歯部のトルクコントロール 佐藤 廉也 先生 |
15:30-15:50(20分) | 休憩 |
15:50-16:50(60分) | 【講演5】歯槽骨内における歯根位置を考慮した矯正治療のアプローチと症例報告 安井 正紀 先生 |
16:50-17:50(60分) | 【講演6】いかにシンプルで効率的なメカニクスを構築できるか 斉宮 康寛 先生 |
17:50-18:30(40分) | 【招待講演者によるパネルディスカッション】 座長:小川 晴也 先生 |
18:45-20:30(105分) | 懇親会 |
日本先進矯正歯科学会 japanese advanced orthodontic society Registration参加申し込みおよび新規入会の登録
下記、参加フォームよりお申込ください。
後日paypalにてご請求させていただきます。
お支払が完了したらお手続きは完了です。
※横にスクロールしてご覧ください。
学会参加費 | 入会金 | 年会費 | 合計 | ||
---|---|---|---|---|---|
①会員 (現在、会員の方) |
事前登録 | 20,000円 | ー | ー | 20,000円 |
通常登録 | 30,000円 | ー | ー | 30,000円 | |
②非会員 (学会申込と同時に 会員となる方) |
事前登録 | 20,000円 | 5,000円 | 12,000円 | 37,000円 |
通常登録 | 30,000円 | 5,000円 | 12,000円 | 47,000円 | |
③非会員 (非会員のまま 学会参加する方) |
事前登録 | 70,000円 | ー | ー | 70,000円 |
通常登録 | 90,000円 | ー | ー | 90,000円 | |
④大学研修医(常勤) コデンタル |
事前登録 | 5,000円 | ー | ー | 5,000円 |
通常登録 | 10,000円 | ー | ー | 10,000円 | |
⑤学生 | 事前登録 | 0円 | ー | ー | 0円 |
通常登録 | 5,000円 | ー | ー | 5,000円 |
懇親会 ※事前登録日以降は、全て当日現金でのお支払いとなります。 |
事前登録 | 5,000円(税込) | |||
---|---|---|---|---|---|
当日 | 7,000円(税込) |
<重要>
※お支払いは全てpaypalにてお願いします。(懇親会の当日のお支払は現金にてお願いします)
※会員には、paypalによるサブスクリプション契約が必要です。
サブスクリプション契約を解除されますと、その段階で会員資格を失いますのでご注意ください。
解除後に再度会員になる場合は、再度入会金が必要になります。
※会員になりますと下記特典がございます。
- 学術大会の割引
- i-station α 2 days セミナー参加費の会員割引
- 会員限定・オンライン症例相談会への参加(無料)
※会員価格での学会参加には、お申込~学会当日まで会員である(サブスクリプション契約している)事が必要です。
※大学研修医、コデンタルの方は証明書、資格免許などが必要です。
※学生の方は学生証が必要です。
第7回日本先進矯正歯科学会学術大会
japanese advanced orthodontic conference
【会場】
全電通労働会館(東京・御茶ノ水)
〒101-0062
東京都千代田区神田駿河台3丁目6
Accessアクセス
徒歩でお越しの方
・JR中央・総武線 御茶ノ水駅
(聖橋口出口 徒歩5分)
・東京メトロ千代田線 新御茶ノ水駅
(B3出口 徒歩5分)
・東京メトロ丸ノ内線 淡路町駅
(A5出口 徒歩5分)
・都営地下鉄新宿線 小川町駅
(A7出口 徒歩5分)
※ご来場者の駐車場はございません。公共機関をご利用ください。
▼詳しくは下記のURLからご確認ください。
https://zhall.or.jp/access.html